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カルローズ米の味と特徴 〜多様な料理にマッチする万能米〜
カルローズ(Calrose)は、「California(カリフォルニア)」と「rose(バラ)」を組み合わせた造語で、1948年にアメリカのカリフォルニア州で開発された中粒種のコメです。もともとは日本のジャポニカ種をルーツに持ちながら、アメリカの気候や食文化に合わせて品種改良が行われたもので、粘り気が少なめでありながらも、ある程度のまとまりを持って炊き上がる特徴を持っています。
昨今の米の値上がりに伴い、小売店でも多く取り扱われるようになり注目を浴びています。
ただ、日本産以外のお米を食べたことが無い方は少し抵抗があるのではないでしょうか?
実際に食べてみた感想と合いそうな料理をレビューします!
■ 粒の特徴:中粒種が生む絶妙なバランス
カルローズ米は「中粒種(ミディアムグレイン)」に分類され、粒の形は丸みを帯びた楕円形で、短粒米(日本米)と長粒米(インディカ米)の中間に位置します。この粒形が、味や食感に多くのユニークな影響を与えています。
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粒はふっくらとしており、炊き上がりにほどよく膨らむ
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表面に適度な光沢があり、見た目も美しい
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中心まで均等に火が通りやすく、ムラの少ない仕上がりになる
このように、粒の形状と構造が、調理中の水分吸収や加熱の安定性に寄与し、幅広い料理に対応可能なベースとなっています。
■ 味の特徴:軽やかで主張しすぎない優しさ
カルローズの味の最大の特徴は、「軽さ」と「バランスの良さ」にあります。以下の点で、日本米と一線を画します。
1. やや控えめな甘み
カルローズは日本のコシヒカリやあきたこまちのような濃厚な甘みや香りはありませんが、逆にその「控えめさ」が料理との相性を良くしています。淡白ながらも後味にほんのりとした甘みがあり、食材の風味を引き立てる名脇役的な存在です。
2. さっぱりとした口当たり
一粒一粒がやや硬めに炊き上がる傾向があり、噛み応えのある軽快な食感が楽しめます。脂っこい料理やスパイスを多用したメニューとの相性がよく、後味が重くなりません。
3. 香りは控えめ
長粒種のような華やかな香りはありませんが、日本米のような「もち米風の芳香」も少なめ。そのため、カレー、リゾット、エスニック料理など、多様な味付けに自然と溶け込みます。
■ では実際美味しいのか?
実際に食べてみた感想としては可もなく不可もなくです。
臭みやパサパサ感は無く、口当たりも悪くないのでカレーライスや牛丼などといった濃い味付けで旨味の強い食材とマッチするだろうなといった感じです。
正直お米好きの自分としては、物足りなさは感じるものの昨今の状況を踏まえて、お米が食べられないよりはマシか…という気持ちで食べています。
ちなみに知り合いの農家さんに聞いたカルローズを美味しく食べる方法も紹介していますので、良ければ↓の記事もご覧ください!
【アメリカ米のカルローズがまずい、おいしくないと感じる人向け】美味しい食べ方をご紹介!>>
■ カルローズ米の炊き方ポイント
カルローズは日本米と比べて吸水性が高く、水加減が味を大きく左右します。以下のような炊き方が推奨されています:
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洗米は1~2回で軽めに
必要以上に研がないことで、表面の澱粉を活かした適度な粘りを得られます。 -
吸水時間は短め(15~30分程度)
長時間の吸水は過剰な水分吸収を招き、べたつきの原因になることがあります。 -
水加減は少なめに
基本的に「米1合:水170ml〜180ml」ほどが目安。少し固めに炊くことで粒感が際立ちます。 -
炊き上がりはすぐにほぐす
蒸らし終えたらすぐにしゃもじでほぐすことで、余分な水分を飛ばし、パラッとした仕上がりになります。
■ 料理との相性:マルチジャンル対応型の万能米
カルローズはそのニュートラルな味わいと食感により、和食はもちろん、中華、洋食、エスニックまで、実に多様な料理との相性が良いとされています。
● カレーや煮込み料理
粘りが少なめなため、ルーとの絡みがよく、口の中でほどけやすい。濃厚な味付けともバランスが取れます。
● 寿司・酢飯
日本米より粘りは弱いが、適切な炊き方をすれば寿司用にも使える。特に海外の寿司チェーンではコストパフォーマンスの高さから多く使用されています。
● 炒飯・ピラフ
パラリとした仕上がりになるため、油との相性がよく、具材と混ざってもべたつかない。
● ライスサラダ
冷めても粒がしっかりと残るため、ドレッシングや具材とのなじみが良く、見た目も美しい。
● スープやリゾット
適度な吸水性がありながら、炊き崩れしにくいため、スープの中に入れても食感が保たれる。
■ 日本米との比較
特徴 | カルローズ米 | 日本の短粒米(例:コシヒカリ) |
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粒の大きさ | 中粒 | 短粒 |
粘り | 中〜やや低 | 高い |
甘み | 控えめ | 強い |
香り | ほとんどなし | 芳香あり |
食感 | さっぱり、軽やか | もっちり、重め |
冷めたとき | 粒が崩れにくくさっぱり | 粘りが増しやすい |
カルローズは、日本米の「甘さ」「粘り」を求める層には物足りなく感じる場合もありますが、「料理に合う米」「軽い口当たり」「汎用性の高さ」を重視する場面では、むしろ日本米以上に適しているといえるでしょう。
■ まとめ:料理を引き立てる「裏方」の魅力
カルローズ米は、派手な主張はしませんが、料理に寄り添い、その味を引き立てる「名脇役」としての魅力を持つ米です。軽やかでクセのない味わい、ほどよい粘り、冷めても劣化しにくい食感など、そのバランスの良さがあらゆる調理シーンで活躍します。
和洋中を問わず、料理の可能性を広げるカルローズ米は、まさに「使い勝手のよい万能米」といえるでしょう。料理好きな方はもちろん、業務用途でもその実力を発揮してくれる、優秀な食材のひとつです。
ただ、どうしても物足りない、白飯として美味しく食べたいという方はぜひ↓の記事もご覧ください!